メインへ
2006年に変わる労働政策

労働ニュース第2006−1号

各社 代表者 殿

貴社ますますご清栄のことと喜び申し上げます。

2006年1月から勤労者を採用するときの健康診断制度が廃止され、7月1日から100人以上の事業場にも週40時間制が拡大適用されます。また、年功給賃金体系の改変など、労働市場の構造的な変化に応じて賃金を調整する代わりに、雇用を延長する賃金ピーク制を施行する事業場の勤労者に賃金ピーク制補填手当を支援することになります。労働部は今年から変わる動労政策に関連する制度を発表しました。 今月号では、その労働政策の主要内容を紹介しますので、ご参考になれば幸いと存じます。


2006年 1月

株式会社 韓英 JBS
代表理事  金思烈
公認労務士 鄭銀淑

 


2006年度に変わる労働政策

1.採用時の健康診断を廃止

 今年1月1日から勤労者を採用するときに義務的に実施した健康診断制度が廃止される。適正業務への配置のために実施した採用時の健康診断制度が却って雇用差別の手段として利用される現実を反映したもので、採用時の健康診断を廃止することにより、病歴による雇用差別が最小化される契機になると期待される。また、事業主は健康診断費を節減する効果もある。その代わり、国民健康保険法により被保険者資格を取得した場合には、当該年度から健康検診を受けることができるように関係部処(=省庁)と協議中である。

2.雇用安定・職業能力開発事業の支援対象を拡大

 雇用安定・職業能力開発事業は、事業主に適正な人材を確保するように支援することにより、勤労者の雇用安定および雇用促進を図る積極的な労働市場政策の主要手段である。
 しかし、これまでの雇用保険は被保険者または前職失業者のみを対象にして制限的に運営されて来て、実際に就業活動をしているにも関わらず、65歳以上の高齢者は雇用保険の支援対象から除外されてきた。従って、雇用安定・職業能力開発事業が事業主の人材確保支援のための事業であることを明示し、その支援対象に就業する意思を有している者と、65歳以上の高齢者も含めることにした。
 このように雇用安定・職業能力開発事業の支援体操が拡大することにより、企業への人材供給を拡大する効果があって、企業の人材難解消および青年・高齢者などの雇用安定にも大きく寄与するものと予想される。

3.非正規職の職業能力開発の優待支援

 次第に増加している非正規職勤労者は、正規職勤労者に比べて教育訓練機会が6分の1の水準であり、極めて初歩的な教育訓練が一般的である。
※職業訓練の経験比率(労働パネル調査、2004年) :非正規職(2.3%) 、正規職(14.8%)

 特に、高級技術を中心にして技術が変化することにより、核心人材中心の雇用管理および人材資源開発に重点を置いていて、非正規職などの脆弱階層に対する社会的な不平等が膠着化する虞れがある。従って、これらに対する職業能力開発支援を強化する必要がある。
 それで労働部は、非正規職勤労者の職業能力開発事業に対する優待支援を通して、非正規職勤労者の職業能力開発に対する参加機会を拡大することにした。
 具体的に、事業主が非正規職のための職業能力開発訓練を実施すれば、訓練費以外に訓練期間の賃金も支援する。また、勤労者が自律的に職業能力開発をする場合には、勤労者受講支援金の支援比率を現行の50〜80%から80〜100%にアップすることにした。
 今後、労働部は非正規職に対する訓練実態調査のための統計システムを構築するなど、非正規職の職業能力開発を活性化するための総合対策を樹立することにした。(2006年下半期)

4.賃金ピーク制補填手当の支援

年功給賃金体系の改変など、労働市場の構造的な変化に応じて賃金を調整する代わり雇用を延長する賃金ピーク制を施行する事業場の勤労者に賃金ピーク制補填手当を支援する。
事業主が勤労者代表の同意を得て55歳以上の雇用を保障する条件として、一定年齢(54歳) を基準にして賃金を減額調整する場合に支援するが、賃金ピーク制補填手当は当該事業主に雇用され18ヶ月以上続けて勤労した者であって、直前年度の賃金と当該年度の賃金を比較して10/100以上減額された勤労者に支給する。
これにより産業構造の変化に伴う企業の人材活用需要に応じることになり、事業場の人材管理効率性を高め、高齢勤労者の雇用安定にも大きく寄与することができると予想される。

<添付>2006年から変わる主要制度

2006 年から変わる主要制度

題 目 従 来 変わる内容 関連法規および施行日
公務員の
労働基本権保障
<新設> ○公務員労組の設立と活動、団体交渉を制度的に保障
-現在は、現業機関の一部公務員を除いて集団行動が禁止されているが、2006.1.28から公務員が労働組合を組織して政府機関と勤務条件に関して交渉できるように制度的に保障する。
○ 公務員の労働組合設立および運営などに関する法律(06.1.28 施行)、同法施行令および施行規則(06.12.25 法制処審査中)
100人以上事業場に週40時間制適用 300人以上事業場にのみ週40時間制が適用され、100人〜299人事業場には週44時間制が適用されている。 ○100人〜299人事業場にまで週40時間制を拡大適用
- 同事業場にも法定勤労時間が週40時間に短縮
- また、同事業場には月次休暇の廃止、生理休暇の無給化、年次休暇の調整(15〜25日)、休暇使用促進方案の新設なども適用される。
○ 勤労基準法
   (03.9.15 改正)
○ 施行日:2006.7.1
採用時の
健康診断
事業主は勤労者を採用するときに、採用時健康診断を実施しなければならない。 ○採用時の健康診断制度を廃止 ○ 産業安全保健法
  施行規則(2006.1.1)
死亡災害
発生時の
加重処罰
安全・保健措置に違反する場合には5年以下の懲役または5千万ウォン以下の罰金に処する。 ○安全・保健措置の違反により死亡災害が発生する場合には7年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処する。 ○ 通常国会上程中
  (議決時に公布日
  から6ヶ月後に施行)
産業安全
保健委員会の別途設置
対象の拡大
1000人未満の事業場は労使協議会が設置された場合には、産業安全保健委員会を労使協議会に代えることができる。 ○1000人未満の事業場も労使協議会と別途に産業安全保健委員会を設置しなければならない。 ○ 通常国会上程中
  (議決時には規模に
  より2006年上半期
  から2009年まで段
  階的に拡大実施)
失業給与
不正受給者の申告者への褒賞制
<新設> ○法第35条第5項の規定により求職給与の算定基礎になる賃金日額の上限額が8万ウォンに引下げられる。
- 即ち、求職給与の 1日上限額が3万5千ウォンから4万ウォンに上方調整される。
○ 雇用保険法施行令
  第48条第1項
  (2006.1.1)
転職支援の
支援水準の
引上
○ 離職(予定)勤労者に対する転職支援サービスを提供する事業主に対して所要費用の1/2〜2/3を支援 ○所要費用の支援水準を2/3〜3/4にアップ ○ 雇用保険法施行令  (2006.1.1)
外国人勤労者の雇用手続の簡素化 ○ 使用者は人材不足確認書の申請・発給、雇用許可書の申請・発給段階を経て外国人を雇用し、- 雇用が開始された場合には管轄地方労働官署に申告 ○産業現場の円滑な人材需給を支援するために雇用許可制の外国人勤労者雇用手続を簡素化
- 人材不足確認書と雇用許可書の統合
- 事業主の勤労開始申告義務を削除
○ 外国人勤労者の雇
  用などに関する法律
  (2006.1.1)
外国人材制度の一元化 ○ 雇用許可制と産業研修制の並行実施 ○2007.1.1 から産業研修制を廃止し、雇用許可制に一元化
-2006 年上半期まで関連法令の改正および雇用許可制送出国の拡大などを推進
○ 出入国管理法および
  外国人勤労者の雇
  用などに関する法令
  (2007.1.1)
雇用安定・職業能力開発事業の支援対象拡大 <新設> ○雇用保険適用除外対象者であった65歳以上の勤労者に対して雇用安定・職業能力開発事業を適用
○雇用安定・職業能力開発事業が事業主の人材確保支援のための事業であることを明示し、
- 支援対象に就業する意思を有する者まで含む
○ 雇用保険法第8条但
  書、第15条第1項
  (2006.1.1)
母性保護
制度
○ 産前後休暇期間90日間の給与を有給休暇期間の最初60日分は企業規模に関係なく事業主が負担し、無給休暇期間である残りの30日分の給与は雇用保険で支給
○ 正常出産(予定)する場合には出産を前後して90日の保護休暇を付与
○中小企業に対しては雇用保険で産前後休暇期間90日分の給与全額を通常賃金の限度内で支援(30日基準最高135万ウォン)
○正常的な出産だけでなく、女性勤労者が流産・死産した場合にも賃金期間により保護休暇を付与
- 妊娠16週〜 21週:30日
- 妊娠22週〜 27週:60日
- 妊娠28週以上:90日
(休暇期間は流産または死産した日から計算)
○ 雇用保険法第55条
  の7男女雇用平等法
  第18条
  施行日:2006.1.1
○ 勤労基準法第72条
  施行日:2006.1.1
契約職または派遣職など非正規職女性勤労者の雇用安定支援 <新設> ○1年以下の契約職または派遣勤労者であって産前後(流産・死産)休暇中であり、もしくは妊娠34 週以上の女性勤労者がその休暇期間または妊娠期間中に勤労契約または派遣期間が終了する場合
- 当該勤労者と契約期間または派遣期間終了即時に1年以上の勤労契約を締結する事業主に対して6ヶ月間に奨励金を支給し、
- 正規職に採用する場合には支援水準を高く策定する予定(支援金額は別途に告示)
○ 雇用保険法第18条
  同法施行令第22条
  の5
  施行日:2006.7.1
賃金ピーク制補填手当制度の導入 <新設> ○事業主が勤労者代表の同意を得て55歳以上で雇用を保障する条件で、直前年度の賃金(ピーク賃金)に比べて10/100以上の賃金が調整される勤労者に賃金ピーク制補填手当を支給
- 賃金ピーク制補填手当は、当該勤労者のピーク賃金と当該年度賃金との差額を考慮して労働部長官が告示する金額とする。

○ 雇用保険法施行令
  第22条の4
  (2005.12.22 、次官
  会議上程予定 )
  施行日: 2006.1.1

−以上−

資料提供:株式会社韓英JBS